まさかの。
休み明け、ちょっと腹の調子が乱れて起床する。
無事に処理して再度布団に。
すると、職場から電話。
「職場のGさんが亡くなったって。」と。
えっ?Gさん死んだ?
あたしはテンパる。
出勤してGさんのご家族に連絡すると、朝方に亡くなったとの事。昨夜に倒れて救急搬送されたらしい。
とりあえず、出張で不在の代表に報告する。
同時に可能な限りで今後の施設の対応体制を考える。
Gさんは職場の同僚で、一応は上司になる人だった。
極めて慎重でマイペース、あたしとは正反対な人。
だから衝突も頻繁だし、事実あたしは何度も激昂してた。だけど、その度に飄々としており何処かで憎めない存在だった。
あたしの相棒だった人。
あたしが激怒して(理由は重要な案件を忘れた彼のミス)いた時、彼は自分の非を認めながらもあたしな口調にだけは毅然として注意してきた。
じゃかあしい!と彼をあたしは一蹴してしまうも、日を改めて口調の謝罪をした。何故か、謝罪したくなった。彼の話は奇妙な味付けがあるから不思議と心に入ってくる。
あたしは彼から何を学んだか?
要領のバランスとタフなハートかも知れない。
だけど、身体は悲鳴をあげたのか?予兆は無かったのか?悔やんでも悔やみきれない、あたしがいる。
今日はあたし含めて皆がソワソワしとった。でも、あたしは彼が死んだとの実感は無かった訳だ。
あたしらは彼が普通に飄々と登場するんじゃないかな?と思った。ツマラン親父ギャグを咲かせてね。
だけど、つい先程彼のデスクが真っ暗になってるのを見て辛くなった。もう、夜にこのデスクが明るくなる事は皆無だ。定時終わり後、毎日開催してた問題点の確認ミーティングも終わってしまった。
主がいないデスクには残された未処理の案件がチラホラ咲いてる。
コノヤロ、〆切り間近の案件も手付かずかよ。
さっさと起きて仕事しろよ。じゃないと、次にあたしが逝くハメになんだぞ。そしたら、2人で約束した施設の改革がストップすんだぞ。頼むから起きてくれよ。
強がりなのか、こんな言葉が口にでる。
あたし、何があっても動じない性格とは思っていたが近い人の生き様と死を見て泣けてきた。
生きる事と死ぬ事、どちらが辛いだろう。だけど、死を迎えて遺された人達から生きてた記憶が無くなる方がもっと辛いな。
Gさん、あたしはずっと記憶する。
とんでもないオッサンと日夜闘ってきた同士であるアンタを。
何ならあたしが仇とる。遺ったあたしが出来るだけ改革するからな。一足先に黄泉の国であたしの座席を確保しといてくれ。いつか逝ったら、2人で味噌ラーメン食べよう!あたしは大盛りな。そん時は2人で死んでるからコッテリにしよう。体調気にしないでいいし。約束だぞ。
入職してから今日までありがとうございました、Gさん。あたしはGさんのタフさに憧れてました。くそ生意気な後輩でしたが、あたしにとっては大切な戦友でした。安らかに休んでください。あたしは負けません。あなたに出会えて良かった。
さようなら。
桜野 一