グローランプ。

あたしの職場には複数のリフト車がある。

まぁ、介護施設で使われる車イスやストレッチャーで乗り降りする車だ。

あたしはその中の１台を事実上の専用車にしとる。

だって、誰も乗りよらんのだし。

日産のキャラバンだ。

コイツはスーパーロングなのか、長い。

何よりも、ディーゼルエンジン搭載、寒冷地仕様なのだ。あたしはガキの時からディーゼルエンジンのガラガラ音に惚れてたから喜んで乗っている。

リフトのモーター積んでるから重いから、馬力あるディーゼルは助かる。

寒冷地仕様だからか、シートヒーターもついてるから快適さ。ただ、長時間乗ると腰が痛くなるシートだが。

元は、ウチの施設が雪国に系列を出していた時に使用していた車。あたしも出張で行った際に何度か乗ってた。まさか、閉鎖後に本社で引き続き使用とは思ってはなかったが。

誰も車体が長いから乗りたがらないし、ディーゼルエンジンの扱いが分からんらしい。

一度、チャレンジした従業員が乗車を諦めて帰ってきた事がある。

従業員「いやー、桜野さん(あたしね)キャラバンのエンジン壊れたみたいよ」

あたし「えー？さっきまで調子良かったのにな。どんな感じよ？」

従業員「エンジンかけたら吹けないんすよ」

あたし「エンジン吹けない？なんだろ(あちゃー、なんかやらかしたか？)」

従業員「年式新しいのに。不良品かな？」

あたし「うーん…。ん？(あたし、閃く)アンタ、ちゃんとグローランプ点灯と消えたの確認しとるか？」

従業員「グローランプ？」

あたし「キー回したら、曲線みたいなのが点灯して消えるだろ？　

従業員「あの、チョロンチョロンしたマークっす？」

あたし「それ！確認してる？ガソリン車と違って、ディーゼルは点火プラグない分グロープラグ暖めてエンジンかけなアカンねん。もしかしたら、他の車みたいにキーつっこんだらスグに回してるん？」

従業員「はい、回してます」

あたし「だから吹けないんよ。グローランプ点灯してる間はグロープラグ暖めてるからな、暖まったら消えるからそこで初めてエンジン回すんだわ」

従業員「メンドーだなー」

 あたしはしばらく無言。

あれ、ディーゼルエンジンの始動方法って教習で簡単にでも習わなかったっか？

なるほど、これじゃ誰も乗らない訳だな。

そしたら、あたしか乗ろう。

とりあえずは来年のリースアップまでは楽しめるな（笑）

そんなキャラバン、以外にも街中の顔馴染みの同業者に遭遇するみたいでちょっと恥ずかしー。

あれ？桜野さん、さっきコンビニにいたでしょー？って。悪さ出来んな（笑）ってか、リフト車で悪さもクソもないか。

あたしは自慢じゃないが、安全運転に一途だ。

そんな、街中で遭遇する同業さんの車を見てるとアホみたいな運転する人がおるから辟易。

ウィンカー出さなかったり遅かったり、一時停止守らなかったりと。スゲーのは法定速度で走ってるあたし運転のリフト車に煽ったあげく、猛スピードで抜かすヤツも。

オイ、運転のおっちゃん危ないだろ！何考えてんねん。とツッコミしまくる事もチラホラ。

こないた遭遇したのは、ある医療法人運営の施設の車が施設からあたしのキャラバンの目と鼻の先って感じで飛び出してきた事。あたし、強めのブレーキと回避行動でぶつからなかったけどね。まぁ、ゆっくり走ってるし嫌な予感してたからなー。

ちなみに、その相手は何事も無かったように去って行きやがったからタチが悪い。

後にその施設の運営の知り合いに苦情いれたけど。反省しとるかな？看板背負ってるんだから気をつけて運転してよ。ってか、免許持ってる時点で分かれよ。出来ないなら返納せい。こんな奴には更新時に試験やれってよ。

ちょっとイライラしてたあたしでした。